粉瘤(ふんりゅう・表皮嚢腫)|原因・症状・治療と日帰り手術
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造(嚢腫)ができ、 その中に角質や皮脂がたまる良性の皮膚腫瘍です。 一般には「できもの」「しこり」と表現されることもありますが、 医学的には表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)と呼ばれます。
顔・首・背中・耳の後ろ・わき・おしり・陰部など、 全身のさまざまな部位に発生します。
粉瘤の原因と発症のメカニズム
本来は皮膚の表面で自然に剥がれ落ちるはずの角質や皮脂が、 何らかのきっかけで皮膚の内側に入り込み、 袋状にたまってしまうことが粉瘤の原因と考えられています。
以下のような要因が関与することがあります。
- 毛穴の詰まり
- 皮膚の小さな傷や外傷
- ニキビや炎症のあと
体質や生活習慣との明確な関連は少なく、 誰にでも起こり得る皮膚疾患です。
粉瘤の主な症状
初期は、痛みや赤みのない皮膚の下のしこりとして気づくことが多いです。
- 触るとやや硬く、動くことがある
- 徐々に大きくなる
- 圧迫感や違和感を感じる
細菌感染を起こすと、以下のような症状が現れます。
- 赤く腫れて強い痛みを伴う
- 熱感がある
- 膿がたまり、破れて内容物が出る
感染した粉瘤は自然に治ることはなく、 適切な処置が必要です。
診断について
多くの場合、視診・触診で診断が可能です。
炎症が強い場合や、内部構造を詳しく確認する必要がある場合には、 超音波(エコー)検査を行うことがあります。
粉瘤の治療方法
① 切開・排膿
感染して膿がたまっている場合には、 まず切開して膿を出し、炎症を抑える処置を行います。
局所麻酔下で行い、処置自体は比較的短時間で終了します。 ただし、この段階では袋(嚢腫)は残っているため、 再発する可能性があります。
② 粉瘤摘出術(嚢腫摘出術)
粉瘤の根本的な治療は、 袋ごと完全に取り除く摘出手術です。
感染や炎症がない状態で行うと、 傷がきれいに治りやすく、再発リスクも低くなります。
手術は入院不要の日帰り手術で、 局所麻酔を使用し、所要時間はおおよそ10〜30分程度です。
炎症が強い場合には、まず排膿や内服治療で炎症を落ち着かせ、 後日あらためて摘出手術を行うこともあります。
③ 抗生物質の内服
感染が疑われる場合には、 抗生物質を内服して炎症を抑えることがあります。
粉瘤に関する注意点
粉瘤は自然に治ることはありません。
自分で潰したり、針で刺して内容物を出そうとすると、 細菌感染を引き起こし、悪化する原因になりますので、 絶対に行わないでください。
「腫れてきた」「赤くなって痛い」「何度も同じ場所にできる」 といった場合は、早めの皮膚科受診をおすすめします。
当院での粉瘤治療
当院の皮膚科では、皮膚科専門医による診察のもと、 局所麻酔による日帰り粉瘤手術を行っています。
手術後は、抜糸や創部確認のため、 数回の通院で経過を確認します。
