アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹を慢性的に繰り返す炎症性皮膚疾患です。乳幼児から成人まで幅広い年代にみられ、症状の改善と悪化(寛解と増悪)を繰り返すことが特徴です。
発症には、アトピー素因(遺伝的なアレルギー体質)に加え、皮膚のバリア機能異常、免疫異常(Th2型免疫反応)、環境要因(乾燥、ダニ、花粉、汗、ストレスなど)が複雑に関与します。
特に近年では、皮膚バリア機能低下(フィラグリン異常)と免疫異常(IL-4・IL-13など)が病態の中心と考えられており、治療もそれらを標的としたものへ進化しています。
埼玉県比企郡小川町の大野クリニックでは、皮膚科専門医が常勤(2026年1月〜・週4日体制)し、軽症から重症、難治例まで専門的に診療しています。
アトピー性皮膚炎の病態(メカニズム)
アトピー性皮膚炎では、以下の3つの要素が相互に影響し合いながら悪循環を形成します。
- ①皮膚バリア機能の低下:乾燥により外部刺激が侵入しやすくなる
- ②免疫異常(Th2優位):IL-4・IL-13・IL-31などが炎症やかゆみを増強
- ③かゆみと掻破行動:掻くことでさらに炎症が悪化
この「バリア異常→炎症→かゆみ→掻破→さらに悪化」というループを断ち切ることが治療の重要な目的です。
治療の基本戦略
治療は以下の3本柱で構成されます。
- 炎症を抑える(外用・内服・注射)
- 皮膚バリア機能を回復する(保湿)
- 再発を防ぐ(維持療法・プロアクティブ療法)
外用薬(塗り薬)による治療
ステロイド外用薬
炎症を抑える治療の中心です。strong〜weakまで強さを使い分け、部位・年齢・重症度に応じて調整します。
適切な使用により副作用リスクは最小限に抑えられ、むしろ不十分な治療の方が慢性化の原因となります。
タクロリムス軟膏(プロトピック®)
カルシニューリン阻害薬で、特に顔・首などのデリケート部位や維持療法に有効です。
JAK阻害外用薬(コレクチム®軟膏)
サイトカインシグナルを抑制し、炎症・かゆみの両方に作用します。比較的新しい選択肢です。
保湿療法(スキンケア)
保湿はすべての治療の基盤です。皮膚バリアを補強することで再発を防ぎます。
- ヘパリン類似物質(ヒルドイド等)
- ワセリン
- セラミド製剤
入浴後すぐの塗布が重要です。
内服治療
抗ヒスタミン薬
かゆみを抑え、掻破行動を減らす目的で使用します。
免疫抑制薬(シクロスポリン等)
重症例で使用されますが、副作用管理が必要なため慎重に適応を判断します。
分子標的治療(生物学的製剤・新規治療)
近年、アトピー性皮膚炎の治療は分子標的治療(バイオ製剤)により大きく進歩しています。
デュピクセント®(デュピルマブ)
IL-4・IL-13を阻害することで、炎症・かゆみ・バリア機能異常すべてに作用します。
中等症〜重症の標準的な生物学的製剤です。
デュピクセントについて詳しくはこちら
ミチーガ®(ネモリズマブ)
かゆみの主因であるIL-31受容体を阻害する薬剤です。
特にかゆみが強い患者さんに対して高い効果が期待されます。
ミチーガについて詳しくはこちら
その他の生物学的製剤・新規薬剤
- アドトラルザ®(トラロキヌマブ):IL-13阻害
- JAK阻害薬(リンヴォック®、オルミエント®など):内服で免疫シグナルを抑制
これらは外用治療でコントロール不良の中等症〜重症例に使用されます。
適応は皮膚科専門医が慎重に判断します。
光線治療(エキシマライト)
308nm紫外線を用いた治療で、局所の炎症抑制に有効です。
外用治療で改善しにくい部位に適応されます。
詳細は 光線治療ページ をご覧ください。
当院の治療の特徴
- 皮膚科専門医による診療(週4日体制)
- 外用・内服・バイオ製剤まで一貫した治療
- 患者ごとに最適化したステップ治療
- 生活指導・スキンケア指導も重視
このような方はご相談ください
- かゆみが強く日常生活に支障がある
- 何度も再発を繰り返す
- 外用薬だけでは改善しない
- バイオ製剤・新しい治療を検討したい
- 顔・首などの難治部位がある
比企郡(小川町・嵐山町・ときがわ町)を中心に、深谷市・寄居町・東秩父村・熊谷市・日高市などからもご来院いただいています。
