接触皮膚炎検査(金属アレルギー等のパッチテスト)
パッチテストは、湿疹やかぶれ(接触皮膚炎)の原因として、 日用品・化粧品・歯科金属・外用薬などが関係していないかを調べる検査です。 皮膚に少量の試薬を貼り、時間をおいて反応の有無を確認します。
反応が出た物質(陽性アレルゲン)が分かった場合は、日常生活での注意点や、 含まれやすい製品例をできるだけ分かりやすくご説明します。 原因物質を避けることで、再発予防や症状の改善につながることが期待できます。
このような症状・お悩みがある方におすすめです
- 化粧品・シャンプー・ヘアカラー・日焼け止めで、かゆみや赤みが出る
- アクセサリー(ピアス、ネックレス、腕時計)でかぶれる
- 歯科治療(詰め物・被せ物)の後から、口の中や皮膚の症状が気になる
- 絆創膏や湿布、外用薬でかぶれたことがある
- 手湿疹や慢性的な湿疹が、なかなか治らない/繰り返す
当院で行うパッチテストの種類
1)金属アレルギー検査(15項目)
金属による接触皮膚炎(いわゆる金属アレルギー)が疑われる場合に行います。 アクセサリーや時計、ベルトの金具、硬貨、作業工具、歯科金属など、 日常生活で触れる機会の多い金属が関与することがあります。
※実施項目や構成は運用により変わる場合があります。症状や生活背景を伺い、医師が必要性を判断します。
金属アレルギー15項目
| 検査項目(試薬名) | 身の回りで含まれることがある例(アイテム例) |
|---|---|
| 三塩化インジウム | 電子部品(液晶・半導体関連)、特殊合金、研究・工業用途の材料 など |
| 四塩化イリジウム | 高耐久合金、電極材料、電子部品・工業用途(触媒等) など |
| 塩化亜鉛 | 金属メッキ・防錆加工品、金属パーツ(工具・金具)、工業用材料 など |
| 塩化アルミニウム | 制汗剤(※成分として用いられることがある)、アルミ製品、工業用材料 など |
| 塩化金酸 | 金製アクセサリー、歯科用金属、電子部品(接点・配線) など |
| 塩化コバルト | 歯科用金属、金属合金(硬質合金)、顔料(青系)、セメント・工業材料 など |
| 塩化第二スズ | はんだ(電子工作)、金属メッキ、金属部品(接合材) など |
| 塩化第二鉄 | 金属加工(腐食液として使用されることがある)、金属部品、工業材料 など |
| 塩化白金酸 | 白金(プラチナ)製アクセサリー、歯科用金属、医療・工業用途(触媒等) など |
| 塩化パラジウム | 歯科用金属(合金)、電子部品、触媒関連(工業) など |
| 塩化マンガン | 合金(鋼材の添加材)、乾電池関連、工業材料 など |
| 臭化銀 | 写真関連材料(感光材料)、研究・工業用途の材料 など |
| 重クロム酸カリウム | 革製品(なめし工程:クロム)、セメント、メッキ・防錆加工品、塗料・顔料 など |
| 硫酸銅 | 銅合金(装飾品・金具)、工業材料、農業関連資材(※取扱い環境) など |
| 硫酸ニッケル | アクセサリー、腕時計、メガネフレーム、金属ボタン・ファスナー、歯科用金属 など |
※例は一般的なものです。実際の含有は製品・メーカー・加工方法により異なります。
2)佐藤製薬:パッチテストパネルS(既製パネル)
パッチテストパネルSは、かぶれの原因になりやすい代表的な物質(スタンダードアレルゲン)を、 まとめて調べられる検査です。「原因がはっきりしない湿疹」「日用品・化粧品・外用薬でのかぶれ疑い」 などで、原因探索の第一歩として有用です。
※症状に応じて、追加試薬の検討や製品の持ち込みをお願いする場合があります。診察時にご説明します。
パッチテストパネルで調べられる主な項目(例)
| 項目 | 含まれることがある例(アイテム例) |
|---|---|
| ニッケル | アクセサリー、腕時計、歯科用金属 など |
| ラノリン | つや出し、化粧品、クリーム、塗り薬 など |
| フラジオマイシン | 塗り薬、目薬 など |
| カインミックス | 革製品、クロムメッキ、セメント、歯科用金属 など |
| 香料ミックス | 食品、キャンドル、香水、化粧品、石鹸、トイレットペーパー など |
| ロジン | インク、ニス、塗料、化粧品、滑り止め など |
| パラベンミックス | 食品、化粧品、塗り薬、シャンプー、石鹸 など |
| ペルーバルサム | 香料、化粧品、アロマオイル、ソフトドリンク、日焼けどめ など |
| 金 | 貴金属、アクセサリー、電子部品、歯科用金属 など |
| コバルト | 歯科用金属、セメント、インク、絵具、ビタミンB12製剤 など |
※例は一般的なものです。実際の含有は製品・メーカー・加工方法により異なります。
検査の流れ(スケジュール)
試薬のついた検査テープを、背中(背部)または上腕に貼付し、複数回判定を行います。 判定日が複数回ありますので、通院可能な日程をご確認ください。
| 検査初日 | パッチテスト貼付(スタンダード/金属/その他) 試薬のついた検査テープを背部または上腕に貼付します。 |
|---|---|
| 2日後(48時間後) | テープを剥がし、初回判定を行います。 ※テープを剥がしてから20分ほどお待ちいただきます。 |
| 3日後 | 2回目の判定 |
| 1週間後 | 最終判定(結果説明) 結果をお渡しし、陽性反応の注意点を説明します。 |
※やむを得ずキャンセルされる場合は、前診療日までにご連絡ください。
検査前後の注意事項(重要)
検査前
- ステロイドの飲み薬は、原則3日前から中止が必要です(中止の可否は医師が確認します)。
貼付中(2日間/48時間)
- 濡らさない:湯船・プールは控え、シャワーは貼付部位を避けて腰下のみにしてください。
- 汗をかく運動は避ける:テープがはがれやすく、判定に影響します。
- テープが浮いたら、どんなテープでもよいので上から貼って補強してください。
かゆみ・違和感が出たとき
- 反応が出ると、かゆみが出ることがあります。アイスノン等で上から冷やすと楽になる場合があります。
- つらい場合は早めにご相談ください。必要に応じて一部をはがすなど対応します。
- 途中ではがした場合、結果が参考値になることがあります。可能であれば写真を撮っておいてください。
テープをはがした後(判定期間中)
- 2日後にテープをはがした後は、全身シャワー・半身浴は可能です。
- 貼付部位は石鹸で洗ったり、こすったりしないでください。
- 判定用に油性マジックで印をつけています。最終判定日まで消えないようにし、薄れたら書き足してください。
起こりうる反応(副反応)
- 貼付部位に赤み・かゆみが出ることがあります。
- 反応が強い場合、水疱(みずぶくれ)、色素沈着、色素脱失が生じることがあります。
- まれに潰瘍や瘢痕(あと)が残ることがあります(判定後、必要に応じて治療します)。
- 検査をきっかけに新たなアレルゲンに反応するようになる(感作)可能性があります。
- 試薬ではなく、固定に用いる検査テープ自体でかぶれることがあります。
よくある質問(Q&A)
- Q. パッチテストで原因は必ず分かりますか?
- A. 原因探索に役立つ検査ですが、すべてを網羅できるわけではありません。症状によっては追加試薬や製品の持ち込みを検討します。
- Q. どこに貼りますか?
- A. 原則として、背中(背部)または上腕に貼付します。
- Q. 判定は何回ありますか?
- A. 2日後(48時間後)、3日後、1週間後の複数回判定を行います。
- Q. 貼っている間にかゆくなったら?
- A. 冷やすと楽になることがあります。つらい場合は早めにご相談ください。途中ではがすと参考値になることがありますので、可能なら写真を撮ってください。
- Q. お風呂は入れますか?
- A. 貼付中の2日間は湯船・プール・運動は控え、シャワーは貼付部位を避けて腰下のみ。2日後にテープをはがした後は全身シャワー・半身浴は可能ですが、貼付部位はこすらないようにしてください。
※パッチテストの詳しい内容はこちらをご覧ください。こちら
