フルミスト(点鼻タイプインフルエンザワクチン)について
フルミストは、今シーズンから日本での接種が正式に認められた鼻へ噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。従来の注射式ワクチンとは異なり、鼻腔に噴霧するため、注射の痛みを伴いません。
特徴
鼻へ噴霧することで粘膜から体内に吸収され、粘膜免疫を強化します。対象年齢は2~18歳(当院3~18歳)のお子様で、通常二回接種の12歳以下も1回の接種で完了します。
接種時期
他のインフルエンザワクチンと同様に、12月中旬までの接種完了が推奨されています。
予防効果
フルミストは、子供に特に推奨されるワクチンであり、鼻や喉の粘膜免疫を強化します。この粘膜免疫により、感染防御の効果が期待されます。
メリット
・注射による痛みがありません
・12歳未満の子供は1シーズンに1回の接種のみです
・生ワクチンであるため、不活化ワクチンとは異なる気道分泌型のIgA 抗体を含む免疫応答が得られます
デメリット
・接種後に鼻水や微熱などの軽度の副反応が発生することがあります
・迅速検査で接種後に陽性反応が出ることがあります
・接種可能な年齢が国内では2~18歳に限定されています
接種後について
・接種後30分間はアナフィラキシーなどの急な副反応に注意が必要です
・接種当日入浴しても問題ありません
・通常の生活をそのままにしてもかまいませんが、当日の激しい運動は避けましょう
・接種後1~2週間は、重症の免疫不全者との密接な接触は避けてください
・フルミストは生ワクチンですが、注射ではないため、接種間隔の規定はありません。
海外の動向
フルミストはアメリカをはじめとして多くの国で使用されており、約20年の実績があります。米国疾病管理センター(CDC)では、フルミストを子供や若者の接種推奨しており、欧州でも拡がっています。
↑患者さん向けフルミストパンフレット