メニュー

ダニ舌下免疫療法

ダニ舌下免疫療法

ダニ(ハウスダスト)通年性アレルギー性鼻炎は、室内塵ダニに対するアレギーが原因となって、くしゃみ、鼻水、鼻閉、そう痒感などの鼻症状が発現する疾患です。製薬メーカーの行ったアンケート調査では、日本人の23%以上の方が通年性アレルギー性鼻炎という結果となっています。思考力・集中力の低下による勉強・仕事・家事など日常生活のさまざまな場面で影響を及ぼします。ダニ(ハウスダスト)通年性アレルギー性鼻炎で以上のような症状がある方には、ダニ舌下免疫療法がおすすめです。 2014年に保険適応となったスギ花粉舌下免疫療法につづき、2015年にダニ(ハウスダスト)の舌下免疫療法が保険適応となりました。
通年性アレルギー性鼻炎の原因となるダニ(ハウスダスト)に効果的な治療法です。当院では、皮下注射による免疫療法をおこなっておりますが、より治療が継続しやすい、ダニ舌下免疫療法を2017年10月から開始することにいたしました。

 

ダニ(ハウスダスト)舌下免疫療法とは

1. アレルゲン免疫療法とは

減感作療法ともよばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、からだをアレルゲンに慣らし、アレルギーを和らげる治療法です。アレルギー症状のある患者のうち、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などに対してこの治療法が行われています。
この治療法は、100年以上も前から行われている治療法です。アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では舌下に投与する「舌下免疫療法」も行われています。

2. 皮下免疫療法と舌下免疫療法の違い

皮下免疫療法は、医療機関での投与が必要です。注射の痛みがあり、治療開始初期は頻回に通院が必要となります。
舌下免疫療法は、舌下への治療薬の投与のため注射の痛みがなく、自宅での服用が可能です。しかし、皮下注射と比べて、治療に対してのより深い患者さんの理解が必要になります。

3. ダニ(ハウスダスト)通年性アレルギー性鼻炎とスギ花粉症

スギをアレルゲンとするスギ花粉症は、スギ花粉飛散時期の1~5月ごろに症状が出ますが、ダニ(ハウスダスト)をアレルゲンとするアレルギー性鼻炎は、一年中、くしゃみ・鼻みず・鼻つまりなどの症状に悩まされることもあります。

4. ダニ(ハウスダスト)アレルギー性鼻炎とは

様々な種類のダニがいますが、主なものとしてヤケヒョウダニとコナヒョウダニの2種類が生息しています。、大きさは100ミクロン程度で犬などにつくマダニとは違い、肉眼では確認することが難しく、絨毯や布団など家屋のいたるところに生息しています。このダニの死骸や糞便などがアレルゲンとなり、通年性アレルギー性鼻炎などの症状がでます。ハウスダストと呼ばれる混合物の98%以上がダニであり、スギ花粉とともにアレルギー性鼻炎の二大原因となっています。

5. どのような治療をするの

ヤケヒョウダニとコナヒョウダニが50%ずつ含まれる治療薬ミティキュアを用います。スギ花粉の治療薬シダトレンは液体ですがミティキュアは錠剤での治療となります。
治療薬の錠剤を舌下で1分間そのまま保持し溶かしてそのまま飲み込みます。5分間は、うがいなどはせずに過ごす。これを一日一回毎日実施します。

6. 治療開始時期について

スギ花粉症の治療とは違い、通年を通して治療をすることができます。スギ花粉症と同時に治療開始することはいたしません。
少なくとも治療開始を1カ月間以上とって治療することになります。担当医師の指示に沿っての治療となります。

7. 副作用について

薬剤は、ダニから成分抽出されているため薬害はないと考えられています。服用直後に強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こす可能性がありますが、これまでの国内外での実績からきわめて稀なケースです。スギ花粉症の舌下免疫療法の薬剤と比べると軽い副作用(副反応とよびます)は若干多く発生します。治療については、ご自身にもよく理解していただく必要がありますが、医師の指示に沿って服用いただければ、安全な治療と言えます。

8. 治療の流れは

基本的な流れで行う場合、初回の診察~血液検査を行います。1~2週間後に2回目の診察を行い、検査結果などに基づき医師が治療可能と判断した場合、初回の滴下を行います。滴下後30分以上は、院内待合室で安静にしていただきバイタル等のチェックを行います。特に問題が無ければ、そこで14日目までの処方を行います。2週間後に再度受診いただき、治療継続可能と医師が判断した場合は、その後は1ヶ月に一度の診察となります。

9. だれでも治療できるの

ダニがアレルゲンの鼻炎であることが前提となります。当院では、採血検査で診断を行います。確定診断があっても以下の場合などは、治療できません。
・妊娠されている、近いうちに妊娠希望の場合、重症喘息の場合、癌の治療をしている場合、重篤な心臓の病気がある場合、免疫不全/免疫抑制剤を服用されている場合、その他医師が治療継困難と判断した場合。
※12歳未満のお子さんの治療も可能となりました。
 (高齢者の方も治療可能ですが、治療の効果がやや低いと言われています。)

10. 治療薬はどこでも処方してくれるか

処方する医師はあらかじめ講習を受けた医師のみとなります。当院では、松田医師・河辺医師・山口医師・鈴木医師が担当致します。
講習を受けた医師がいる他の医療機関でも処方は可能ですが、治療の経過をみていく必要があるので、継続的に同じ医療機関にかかることをおすすめします。

11. ダニ以外のアレルギー性鼻炎への効果は?

ダニ(ハウスダストの98%)以外が原因となるアレルギー性鼻炎には効果がありません。ダニ(ハウスダスト)をアレルゲンとする通年性アレルギー性鼻炎の治療です。

12. 事前に効果があるか分かるの

残念ながら、今のところ事前にダニ舌下免疫療法の効果があるかないかの判断はできません。約8割の方に効果がある反面、2割の方には効果が少ない・出ないというデータがあります。

13. 他の鼻炎薬の薬との併用はできるか

免疫舌下療法の治療をしていても、他の鼻炎薬のお薬は使用可能です。他のお薬の量を少なくする事は一つの目的でもあります。花粉症の症状に応じて我慢せずに担当医師に相談しましょう。症状にあわせてお薬を併用するのが一般的です。当院では、アレルギー性鼻炎に良く効く漢方薬での治療もおこなっております。

14. 治療期間は

長期間の継続治療が必要となります。まず、約2年ほど治療を継続して効果を確認する必要があります。その間で効果が出た患者さんには、計4~5年の治療が勧められています。

15. 効果がでるまでどのくらいかかる

免疫を変え体質を改善する治療のため、治療開始からすぐ効果を確認出来る治療ではありません。初回服用から数カ月のスギ花粉飛散期に大きな改善がみられる場合や2~3年後に改善がみられる場合など、効果が出るまでの期間は様々です。1年目より2年目、2年目より3年目の効果が大きいというデータがありますので、焦らず治療していく事が必要です。

16. 舌下免疫療法はずっと続けなければならないの

3~5年治療を行えば、治療を中断しても効果が持続すると考えられています。治療をやめて、1~2年後に症状が出てきた場合は、あらためて舌下免疫療法を行うと、効果が元に戻るといわれています。

17. 他のアレルギー性鼻炎の治療は

スギの舌下免疫療法があります。2014年に保険適応となりました。当院ではスギの舌下免疫療法もおこなっております。詳しくは、スギ舌下免疫療法をご覧ください。
ダニ゙とスギの舌下免疫療法による治療は同時に開始はできません。

18. どのような患者さんにお勧め

アレルギー性鼻炎の症状改善のため、内服薬や点鼻薬を多く使用しているので薬を減らしたい。
通年を通して鼻炎の症状や内服薬を服用後の眠気などで勤務中や家事、勉強などに支障をきたしている。
数年での妊娠は考えていないが、将来妊娠した際に服用している薬が飲めなくなった場合に不安。

19. 治療にかかる費用について

初回の診察・検査等で5,000円程度(3割負担)の窓口負担となります。免疫舌下療法のみでの治療の場合、クリニックと薬局を合わせ約1,800円(3割負担)/月の窓口負担となります。また、1年程度に1回の検査が必要となります。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME