マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は、Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ)という特殊な細菌によって引き起こされる非定型肺炎の一種です。小児〜若年成人に多い肺炎ですが、近年では成人の感染例も増加しています。
マイコプラズマ肺炎の特徴
- 発熱・乾いた咳(乾性咳嗽)が数日続き、風邪症状が改善しない
- 比較的全身状態が良好でも、レントゲンで肺炎が確認されることがある
- 学校や職場での集団感染(クラスター)が起こることも
- 気管支炎のような症状で受診される方も多く、誤診されやすい
症状の経過
- 初期症状:咽頭痛、微熱、全身の倦怠感
- 進行期:高熱(38〜39℃以上)、しつこい乾性咳(1〜2週間以上続く)
- 合併症:中耳炎、気管支炎、稀に無菌性髄膜炎や皮膚症状(発疹)
当院での診断体制
当院では、呼吸器感染症を迅速・正確に診断できる設備と体制を整えています。
- 多項目PCR迅速検査(20分):マイコプラズマ肺炎の原因菌を特定可能
- 胸部レントゲン:肺炎の有無や広がりを確認
- 胸部CT検査:詳細な肺野評価が可能。軽度な肺炎の見逃しを防ぐ
- 血液検査:CRP、白血球、マイコプラズマ抗体価(必要に応じて)
マイコプラズマ肺炎の治療
マイコプラズマは通常の抗生物質(ペニシリンやセフェム系)では効果がなく、マクロライド系(クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど)が第一選択薬となります。
近年は、マクロライド耐性マイコプラズマも報告されており、その場合はテトラサイクリン系(ミノサイクリン)やニューキノロン系が使用されることもあります。
咳が長引く、発熱が続くなどの症状がある方は、マイコプラズマ肺炎の可能性もあります。当院ではCT・レントゲン・PCR検査機器を完備し、呼吸器内科専門医が診療を担当しますので、安心してご相談ください。
マイコプラズマ肺炎Q&A
- Q. 風邪との違いは何ですか?
- A. 風邪と似た初期症状ですが、咳が長引き、熱が高く、が効かない点が異なります。
- Q. 学校や職場で感染は広がりますか?
- A. はい、飛沫感染で広がり、集団感染を引き起こすこともあります。咳が続いている方は受診をおすすめします。
- Q. 抗菌薬で治りますか?
- A. 適切な抗菌薬(マクロライド系など)を使用することで症状の改善が期待できますが、耐性菌の場合は薬剤の変更が必要です。
- Q. 検査にはどのくらい時間がかかりますか?
- A. 当院では迅速PCR検査を導入しており、約20分で結果が分かります。
- Q. 家族にうつる可能性は?
- A. 十分にあります。家族内での感染防止には、マスク着用や咳エチケットが大切です。