人間ドック
人間ドック(予約制)
人間ドックとは、疾病の早期発見と予防を目的とした包括的な健診です。
その歴史は戦後間もない1950年代に開始されたといわれています。1959年に日本人間ドック学会が設立されていて、定期健康診断の開始が1972年、特定健診の開始が2008年ということからもわかるように、最も長い歴史の中で発展してきた健診であることが分かります。
目的も定期の健康診断が脳・心疾患発生の防止や生活習慣病などの増悪防止、特定健診が生活習慣病の発生や重症化予防であることに対して、ドック健診は生活習慣病やがんの予防・早期発見などが目的とされていて、似ているようで違いがあります。
ドック健診は、血液検査、尿検査、便潜血検査、レントゲン、心電図などの基本的な検査に加えて、超音波検査・内視鏡検査、(CT)などの高度な医療検査も含まれています。これらの検査を通じて、生活習慣病などの潜在的な健康問題を早期に発見し適切な指導を行い予防したり、がんの早期発見、早期治療を行うことで、重篤な状態に進行するのを防ぐことを目的としています。また、自己の健康状態を把握することで、生活習慣の改善や予防策を講じることができます。定期的に人間ドックを受けることは、健康管理の一環として有益です。
当院では健診バイトの医師ではなく、通常診療を行う医師が問診、結果の確認~説明を行います。そのため、予約枠には限りがありますが、健診後の精査フォローなども対応が可能です。
【人間ドック助成について】
小川町や近隣の市町村では、国民健康保険/後期保健加入者で一定の年齢以上の方に対し人間ドック検査費用の助成制度があります。各市町村により申請内容や期間、助成金額は異なります。当院では、小川町以外の近隣市町村(嵐山町、滑川町、ときがわ町、吉見町、寄居町、深谷市、東秩父村)と新たに契約を締結し、人間ドック助成の契約医療機関として受検が可能となります。基本的に役場への事前申請が必要となりますので、詳しくはお住まいの市町村へお問合せ下さい。(同年度の特定健診を受けられた方は、助成が受けられない事があるので注意が必要です。)
【大野クリニックで受けられる人間ドック助成一覧】
人間ドック費用(Aコース45,000、Bコース38,500)から、以下の表の補助金額を差し引いた金額が、窓口負担となります。
★東秩父村の方は、全額窓口負担した後、ご自身で領収書を持参し役場で償還払いの手続きが必要となります。
| 市町村名 | 補助金額 | 受検期間 | 申請期間等 | 対象年齢 | 申請先TEL |
|---|---|---|---|---|---|
| 小川町 | ¥20,000 | 6/1~翌2/28 | ~5/24(2024年度) | 40歳以上 | 0493-72-1221 |
| 嵐山町 | ¥20,000 | 6/1~翌1/31 | 5/15~10/31 | 35歳以上 | 0493-62-2150 |
| ときがわ町 | ¥25,000 | 4/1~翌3/31 | 予約日の2週間前まで | 40歳以上 | 0493-65-1521 |
| 滑川町 | ¥20,000 | 4/1~翌3/31 | 事前申請必要 | 35歳以上 | 0493-56-6025 |
| 東秩父村 | ¥12,000 | 4/1~翌3/31 | 事前申請必要 | 35歳以上 | 0493-82-1221 |
| 寄居町 | ¥35,000 | 4/1~翌2/28 | 4/1~翌1/30 | 35歳以上 | 048-581-2121 |
| 深谷市 | ¥30,000 | 4/1~翌2/28 | 4/1~翌1/30 | 30歳以上 | 048-571-1211 |
| 検査項目 | Aコース(男性) 45,000円 |
Aコース(女性) 45,000円 |
Bコース(男性) 38,500円 |
Bコース(女性) 38,500円 |
|---|---|---|---|---|
| BMI | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 腹囲(実測) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 血 圧 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 聴 力 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 視 力 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 肺活量 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| %肺活量 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 1秒率 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 1秒量 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 白血球 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 血小板 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 赤血球 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 血色素 (ヘモグロビン) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ヘマトクリット | ○ | ○ | ○ | ○ |
| MCV | ○ | ○ | ○ | ○ |
| MCH | ○ | ○ | ○ | ○ |
| MCHC | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 血液像 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 総蛋白 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| アルブミン | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 総ビリルビン | ○ | ○ | ○ | ○ |
| AST(GOT) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ALT(GPT) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ALP | ○ | ○ | ○ | ○ |
| LDH | ○ | ○ | ○ | ○ |
| γ-GTP | ○ | ○ | ○ | ○ |
| コリンエステラーゼ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 血清アミラーゼ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 総コレステロール | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 中性脂肪 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| HDL-コレステロール | ○ | ○ | ○ | ○ |
| LDL-コレステロール | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 尿糖 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 空腹時血糖 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| HbA1c | ○ | ○ | ○ | ○ |
| TSH | ○ | ○ | ○ | ○ |
| FT4 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| FT3 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ナトリウム(Na) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| カリウム(K) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| クロール(Cl) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| カルシウム(Ca) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 尿素窒素 (BUN) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| クレアチニン | ○ | ○ | ○ | ○ |
| eGFR | ○ | ○ | ○ | ○ |
| pH | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 尿比重 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 尿蛋白 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 尿潜血 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ウロビリノーゲン | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 尿沈査 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 尿酸(UA) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| CRP | ○ | ○ | ○ | ○ |
| リウマトイド因子(RF) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| HBs抗原 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| HCV抗体 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 便潜血(2日法) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| PSA(腫瘍マーカー)※1 | ○ | - | ○ | - |
| 血清鉄(Fe) | - | ○ | - | ○ |
| 鉄結合能(TIBC) | - | ○ | - | ○ |
| フェリチン | - | ○ | - | ○ |
| 眼 底 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 心 電 図 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 腹部超音波 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 胸部X線 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 胸部CT低線量CT※2 | ○ | ○ | - | - |
| 上部内視鏡 | ○ | ○ | ○ | ○ |
※1 腫瘍マーカーについて
当院では他の腫瘍マーカーも実施できますが、症状等があり疾患の疑いがある場合に保険診療で実施をしています。
※2 低線量胸部CTについて
胸部レントゲン検査と比較して、胸部CTによる肺がん発見率は約10倍程度高く、発見された肺がんは早期比率が高くその分治療成績が良好であるとデータで示されています。
米国国立癌研究所では「喫煙者に対する低線量CT検査による肺がん検診により死亡率が低下した」と報告されています。
【メリット】
①従来の胸部レントゲン検査(+喀痰細胞診)より肺がんの早期発見率が高い。
②肺気腫や気管支拡張症、肺結核、抗酸菌症なども同時に発見できることがある。
③フィルター技術等の進歩により胸部レントゲン検診の数回分と同等の低線量による検査が可能となった。
【デメリット】
①見つからなくてもよい良性結節等も発見され、良性・悪性の鑑別のための精密検査や経過観察が追加で必要になる場合がある。
肺がんと肺ドックの重要性
肺がんは、日本において死亡数の多いがんの一つです。喫煙や受動喫煙、大気汚染などが主なリスク因子として知られていますが、非喫煙者でも肺がんを発症することがあり、誰にとっても無関係ではありません。肺がんは、初期にはほとんど自覚症状がなく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。そのため、症状が出る前に検査を受け、早期に発見することが重要です。
一般的なレントゲン検査では、3cm以下の小さな病変や肺の奥に隠れたがんは発見が難しいことがあります。一方、CT検査では、より精密に肺の内部構造を確認することができ、1cm以下の小さな腫瘤(しゅりゅう)やすりガラス状の陰影も見つけやすくなります。特に、当院で採用している「低線量CT」は、被ばくを最小限に抑えながら、高解像度の画像を撮影できる装置です。
当院では、ドイツ・シーメンス社製の最新型CT「Somatom go(16列)」を導入しています。この機器は、短時間で高画質な画像を撮影できるため、検査による患者さんの負担が軽減されるのが特長です。また、画像は放射線診断専門医が読影(診断)を行い、見落としのない、正確な判定を心がけています。
肺がんの早期発見において、低線量CTによる肺ドックは非常に有効です。実際、海外を含む複数の研究で、低線量CTによるスクリーニングにより、肺がんによる死亡率が20%以上低下する可能性があると報告されています。喫煙歴のある方や40歳以上の方、がん家族歴のある方は特に定期的な検査をおすすめします。
肺ドックは自費診療として、11,000円(税込)で受検いただけます。健康診断では見つけづらい肺の病気を早期に知るために、ぜひご活用ください。検査は予約制ですので、詳しくはお電話またはWEBよりご予約ください。

