特定健診・後期健診・30歳代健診・風しん検診・肝炎検診
特定健診
特定健診(特定健康診査)は、2008年度から始まった制度で、40~74歳の公的医療保険加入者を対象に、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防を目的としています。
目的
- 生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)の早期発見と重症化予防
- 健康寿命の延伸
- 将来的な医療費の抑制
検査内容
以下の項目が基本的に実施されます。
- 問診(生活習慣、服薬歴)
- 身体計測(身長・体重・腹囲・BMI)
- 血圧測定
- 尿検査(尿糖・尿蛋白)
- 血液検査(空腹時血糖、HbA1c、脂質、肝機能など)
条件によっては、心電図、眼底検査、貧血検査なども追加されます。
対象者
40~74歳の国民健康保険加入者や協会けんぽ等の医療保険加入者が対象です。
実績(2023年度)
| 項目 | 数値 | 前年比 |
|---|---|---|
| 対象者数 | 約5,210万人 | ― |
| 受診者数 | 約3,123万人 | +1.8pt |
| 受診率 | 59.9% | 58.1% → 59.9% |
| 保健指導実施率 | 27.6% | +1.1pt |
| メタボ該当者率 | 2008年比 17.2%減少 | 改善中 |
今後の課題
- 40代・70代の受診率向上
- 保健指導の実施率向上
- ICT活用による継続支援と効果測定
- 保険者間格差の是正
当院の取り組み
- 予約制による健診の実施
- 医師による丁寧な結果説明と生活指導
- 精密検査や治療が必要な場合の迅速な対応
- ICTや電話などを活用した継続的フォローアップ
- 地域住民への啓発活動
特定健診は、将来の健康と生活の質を守るための大切な制度です。
| 検診内容 | 保険者 | 窓口負担 | 実施期間 |
|---|---|---|---|
| 小川国保 30歳代健診(30〜39歳) |
小川町 | 1,000円 | 6月1日〜 翌2月28日 |
| 特定健診 国保 (40〜74歳) |
小川町・滑川町 | 1,000円 | 6月1日〜 12月25日 |
| ときがわ町 | 800円 | ||
| 嵐山町56〜74歳 | 500円 | ||
| 嵐山町40〜55歳 | 0円 | ||
| 東秩父町・東松山市・吉見町 鳩山町・川島町 |
0円 | ||
| 眼底健診 | 小川町 (他市町村は他結果による) |
0円 | |
| 後期健診 国保 (75歳以上) |
小川町・東秩父町・川島町 嵐山町・ときがわ町・鳩山町 吉見町・滑川町・東松山市 |
0円 |
| 社会保険種別/保険者 (被扶養者特定健診のみ) ※協会けんぽの生活習慣病健診は実施不可 |
窓口負担 | 実施期間 | |
|---|---|---|---|
| 協会けんぽ (全国健康保険協会) |
埼玉支部・東京支部・群馬支部・神奈川支部など | 各組合の実施要項をご確認下さい。 | 4月1日〜翌3月 |
| 共済組合 | 市町村職員・公立学校・警察・地方職員・日本郵政など | ||
| 組合国保 | 埼玉県建設国民健康保険組合・全国土木建築国民健康保険組合 | ||
| 健保組合① | ホンダ健保組合・ボッシュ健康保険組合・デパート健康保険組合・東京都情報サービス産業健康保険組合・東京薬業健康保険組合・日立健康保険組合・ヤマトグループ健康保険組合など | ||
| 健保組合② | 埼玉機械工業健康保険組合・日本自動車部品工業健康保険組合・東京電子機械工業健康保険組合・埼玉県建設業健康保険組合・東京都電機健康保険組合・電設工業健康保険組合・東京金属事業健康保険組合・東京実業健康保険組合城北支部など | ||
特定健診の目的
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症などを早期に発見
- 心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を予防
- 生活の質(QOL)の向上
- 将来の医療費の増加を防ぐ
保健指導について
健診の結果によって、生活習慣の改善が必要な方には「保健指導」が行われます。食事や運動などを見直すアドバイスを受けることで、健康状態の改善が期待されます。
実際に、保健指導を継続して受けた方では、体重や検査値(血糖や脂質など)が良くなったという結果が出ています。
眼底健診も受けられます
小川町にお住まいの方は、窓口負担なしで「眼底健診」が受けられます。暗い部屋で眼底カメラを使い、目の奥(網膜や血管など)を撮影して調べます。
この検査では、目の病気だけでなく、高血圧や動脈硬化、糖尿病による変化も見つけられます。
当院では、目薬で瞳を広げずに撮影できる「無散瞳眼底カメラ」を使っています。ただし、白内障が強い方などは、眼科での検査をおすすめする場合があります。
健診結果について
健診の結果について詳しく知りたい方は、以下の「雇用時健診・一般健診」の検査項目をご確認ください。
| 検査項目 | 基準値 | 詳細説明 | ||
|---|---|---|---|---|
| BMI | 18.5-24.9 | BMI 値は身長に見合った体重かどうかを判定する数値です。 体重÷身長÷身長で算出します。22が標準とされています。 妊娠中や専門的にスポーツに取り組んでいる方は、当てはまらない事があります。 | ||
| 血圧 | 収縮期 129以下 拡張期 84以下 |
心臓から血液を全身に送り出す圧力です。 心臓が収縮して血液を押し出すときの圧力を収縮期(最高)血圧といい、逆に心臓が拡張して血液が元へ戻ったときの圧力を拡張期(最低)血圧といいます。収縮期は130-159が『要注意』、160以上が『異常』とされています。拡張期は85-99が『要注意』、100以上が『異常』とされています。 測定時の緊張・疲労・季節等でも変動しますので、定期的に測定することをお勧めします。 | ||
| 視力 | 1.0以上 | 眼の病気がないのに裸眼視力が 0.7 未満の場合は近視・乱視が考えられます。 0.7-0.9が『要注意』、0.6以下が『異常』とされています。 | ||
| 聴力 | 30dB以下 | 低音と高音の両者が聞こえるかを調べます。 1000Hz の低い音では 30dB(音の大きさ)以下の音が聞こえれば正常です。 4000Hz の高い音では 30dB 以下が正常です。 それ以上でないと聞こえない場合は、難聴や中耳炎などが疑われます。 | ||
| 心電図 (安静時) |
心筋梗塞、狭心症、不整脈、心肥大などの心臓の疾患を発見するための検査です。 | |||
| 胸部X線 | 肺や心臓の病気、その他胸部の臓器の異常を発見するための検査です。 | |||
| 尿蛋白 | (-) | 尿中の蛋白質の有無を調べます。腎疾患や高血圧で陽性(✙)となります。健康な人でも生理前後や激しい運動の後、またストレスにさらされている時などは異常値が出ます。 | ||
| 尿糖 | (-) | 尿中の糖の有無を調べます。腎疾患や糖尿病で陽性(✙)となります。健康な人でも妊娠中の方や中高年の方は糖が出やすくなります。また若い人でも疲れている時や、ストレスを受けている場合に糖が出ることがあります。 | ||
| pH(尿) | 4.8-7.5 | 食べたものの影響で、一時的な異常が出やすいものです。継続的にアルカリ性である場合は膀胱炎などの尿路感染症が考えられます。酸性の場合は糖尿病や痛風などが考えられます。発熱や下痢をしている時も酸性になることがあります。野菜不足の人は酸性になりやすい傾向があります。 | ||
| ウロビリノーゲン (尿) |
(±) | 肝炎、肝硬変、肝がんなどで陽性(✙)になります。健康な人でも飲酒が続いたり、お肉を食べた後は異常値が出ることがあります。また激しい運動の直後や疲労時、便秘時も異常値が出やすいです。 | ||
| 尿潜血 | (-) | 尿中に血が混ざっているかを調べます。腎炎や腎結石などの腎臓病や尿管結石など尿管の病気、尿道炎や前立腺炎など尿道の病気が考えられます。 | ||
| 白血球数 | 3500-9700 | 生体を細菌やウイルスから守る免疫に役立つ成分です。炎症性疾患などの診断の指標となります。 | ||
| 赤血球数 | 男 438-577 女 376-516 |
血液の主な成分です。赤血球数の減少がみられる場合は、貧血や出血の可能性があります。 | ||
| 血色素量 | 男 13.6-18.3 女 11.2-15.2 |
赤血球の中に含まれる酸素を運ぶ成分です。鉄分が不足したり、赤血球の中の色素を作る能力が減少した場合に低下します。 | ||
| 血小板数 | 14.0-37.9 | 血小板には、血を止める作用があります。血小板が減ると出血しやすく、血も止まりにくくなります。 | ||
| AST (GOT) |
10-40U/L | 主に肝臓の異常に敏感に反応する検査です。肝炎、脂肪肝に代表される肝疾患の時に上昇します。 | ||
| ALT (GPT) |
5-45U/L | 主に肝臓の異常に敏感に反応する検査です。肝炎、脂肪肝に代表される肝疾患の時に上昇します。 | ||
| LDL-Cho | 70-139 | 『悪玉コレステロール』と呼ばれています。コレステロールを末梢細胞に運搬する働きがあります。血中のLDL-Cの増加は動脈硬化を起こし、冠動脈疾患の危険因子となることがあります。 | ||
| HDL-Cho | 男40-80 女40-90 |
『善玉コレステロール』と呼ばれています。動脈壁に付着したコレステロールを再び血液中に洗い出す働きがあります。数値が高いと動脈硬化を予防し、低いと動脈壁へのコレステロール沈着が増え動脈硬化を促進させます。 | ||
| 中性脂肪 | 50-149 | 高カロリー食やアルコールの過飲などで過剰に摂られたエネルギーは中性脂肪として貯蔵され、さらに増加すると皮下脂肪や肝臓に蓄えられます。これが高くなると、内臓脂肪を増やしたり脂肪肝、動脈硬化を進めることがあります。 | ||
| 血糖 (空腹時) |
70-109 | 糖尿病の有無やその程度を調べます。 | ||
| HbA1c | 4.6-6.2% | 食事の影響を受けず、過去4~8週間の長期間の血糖がうまく調整されているかどうかを知るために役立ちます。 | ||
| 尿素窒素 (BUN) |
8.0-20.0 | 尿素窒素は蛋白が身体の中で分解されたときにできる老廃物で、これらは腎臓から尿中に排出されます。腎臓での排泄が低下すると、血液中の尿素窒素の濃度が高くなります。 | ||
| クレアチニン | 男0.65-1.09 女0.46-0.82 |
クレアチニンは筋肉内にあるクレアチンの最終産物で、腎臓でろ過され、排泄されるため、尿素窒素と同様に腎機能の指標にされています。 | ||
基準範囲(値)は、健康人の95%の人が入る範囲で、年齢で異なります。しかし統計学的に20人に1人は、この範囲から外れることがあります。健康な状態では、概ね同じような検査値になります。
後期高齢者健康診査(小川町)
後期高齢者健康診査は、75歳以上の方を対象に、生活習慣病の早期発見・早期治療を目的として実施される健診です。 小川町では、埼玉県後期高齢者医療広域連合の制度に基づき、毎年定期的に行われています。
対象者
- 受診日時点で満75歳以上の方
- 65歳以上で一定の障害があり、後期高齢者医療制度に加入している方
健診内容
- 問診・診察
- 身体計測(身長・体重・BMIなど)
- 血圧測定
- 血液検査(脂質・血糖・肝機能・腎機能など)
- 尿検査
- 必要に応じて心電図検査・眼底検査
費用
小川町にお住まいの方は無料で受診いただけます。
実施期間
毎年 6月1日~12月25日 まで実施しています。
受診方法
- 5月下旬に町より受診券が送付されます。
- 受診希望の方は、事前にクリニックへ予約をお願いします。
- 当日は朝食を控え、受診券と健康保険証をご持参ください。
- 結果は2週間後以降、来院または郵送にてお知らせします。
30歳代健診(小川町国保)
小川町では、将来の生活習慣病を予防するために、30歳代(30~39歳)の町民の方を対象とした健診を実施しています。 若い世代のうちからご自身の健康状態を把握し、生活習慣を見直すきっかけとして活用してください。
対象者
- 小川町に住所を有し、30歳〜39歳の国民健康保険加入者
- 年度内に30~39歳になる方が対象です
健診内容
- 問診・診察
- 身体計測(身長・体重・BMI)
- 血圧測定
- 血液検査(脂質・血糖・肝機能・腎機能など)
- 尿検査(尿糖・尿蛋白)
費用
1,000円(自己負担)
実施期間
6月1日〜翌年2月28日
受診方法
- 小川町から送付される案内に従い、パトリアおがわ窓口で事前申込みを行ってください。
- 申込後、クリニックへ受診予約をお願いします。
- 受診当日は朝食を控え、受診券と健康保険証をご持参ください。
- 検査結果は2週間後以降に郵送または来院でお伝えします。
埼玉県 風しん抗体検査(無料)
埼玉県では、一定の条件を満たす方を対象に、無料で風しんの抗体検査が受けられる支援制度を実施しています。
対象となる方
- 検査日時点で埼玉県内(※さいたま市・川越市・越谷市・川口市は除く)の住民登録がある方で、以下のいずれか:
- 妊娠を希望する18歳以上50歳未満の女性
- 上記女性の配偶者または同居者
- 抗体価の低い妊婦(HI法32倍未満、EIA法8.0未満)の同居者
※過去に抗体検査・予防接種歴がある方は対象外です。
実施期間
令和7年(2025年)4月1日 ~ 令和8年(2026年)3月31日
※一部市町村ではクーポン券の利用期限が異なる場合があります。
検査の流れ
- 市町村から届くクーポン券または申込書に必要事項を記入
- 検査可能な医療機関(当院含む)で予約
- 健康保険証など本人確認書類・クーポン券を持って来院、採血・抗体検査を実施
- 検査結果は数日後、受診した医療機関で直接または郵送で通知
- 抗体価が低ければ、必要に応じて予防接種を推奨
申込書と通知書(PDF)
風しん抗体検査 申込書ダウンロード
※埼玉県公式で配布されているフォームです。
費用負担
検査・クーポン券の使用により費用は無料(一人一回限り)
予防接種について
抗体価が基準に達しない場合、医療機関での風しんまたは混合ワクチン接種をご検討ください。住民お住まいの市町村によっては別途助成が受けられる場合もあります。
注意点
- 妊婦さん自身は予防接種を受けることができません。
- 転居等でクーポンが届かない場合、市町村にお問い合わせください。
- 検査後に抗体が低かった場合、早めに予防接種を受けましょう。
お問い合わせ
埼玉県 健康医療政策課 感染症対策担当:
048‑830‑3557
またはお住まいの市町村保健センター等にご連絡ください。
小川町 肝炎ウイルス検診(B型・C型)
ウイルス性肝炎はB型またはC型肝炎ウイルスに感染することで、無症状のまま慢性肝炎・肝硬変・肝がんに進行する可能性がある重大な感染症です。当院では小川町から指定を受け、町民の皆さまに検診を提供しています。
対象者
小川町に住民登録のある40歳以上(令和8年3月末時点)の方
実施期間
令和7年6月1日~令和8年2月28日まで
自己負担金
900円(生活保護受給者は無料)
検査内容
- 問診
- B型肝炎ウイルス検査(HBs抗原)
- C型肝炎ウイルス検査(HCV抗体)
申込方法
- 本人確認書類を持って、小川町役場 健康福祉課(健康増進グループ)で申込(先着順、定員制)
- 申込後、マイナンバーカードまたは保険証と受診案内を持参して、当院で採血検査
※検診対象外:町の検診以外で同等の検査を予定の方、過去に検査や治療歴のある方など
申込先・問合せ
小川町 健康福祉課 健康増進グループ
電話:0493‑72‑1221(内線157・158)
開庁時間:平日 8:30〜17:15(除 週末・祝日)
